年の差婚 「子供が欲しくなったから離婚」は「普通」なのか？
夫の「自分の子供が欲しくなったから」という理由で離婚した磯野貴理子さんのニュースを見た時、なんとも切ない気持ちになりました。私の元夫も一回り以上年下で、離婚理由の一つは「子供が欲しくなった」だったからです。
私が元夫と結婚したのは40歳になったばかりの時。まだギリギリ子供を持てる可能性があった年齢です。けれど、元夫は「子供は作らない」ことを結婚の条件の一つにしました。自分に問題があって子供を持てる可能性がとても低いからだ、と。
けれど、2年もしないうちに「僕たちの子供はどこだろうね」なんてことを言い出すようになりました。そして、医療機関で診断を受けることも不妊治療も拒否し「自然にできるのが一番だ」と言いました。結果、離婚の理由の一つに「子供が欲しいから」と言われては、「どうしようもない」を通り越して「今更、何ふざけてるの？」です。
バカ正直さが人を深く傷つける
個人的に、私はこのタイプの男性を誠実だとは思えません。妊娠が難しくなった年齢の妻に対して「子供が欲しいから離婚してほしい」なんて、あまりにも残酷で身勝手です。「年上妻は理解してくれるだろう」と言う甘えや、「子供が欲しいと言えば拒否できないだろう」と言う思いも男性側にはあるのかもしれません。
まだ「他に好きな女性ができた」と言われた方がマシです。
せめて、そんな嘘をつき通すくらいの「思いやり」が欲しいところです。男性は、いくつになっても「自分は子供を作れる」と思っているので、リミットのある女性の気持ちを理解できないのかもしれません。
自分ではどうしようもない「今更」な事を持ち出された女性が、どれだけ傷つくか想像できないのでしょうか？
バカ正直なだけかもしれませんが、正直さが人を深く傷つけることがあるのです。「自分は正直だった」と離婚を切り出した本人は清々しい気分かもしれませんが、傷つけられた方はたまったものではありません。
そんなの最初から分かっていたことでしょ？と言える神経
私の周りには「年下の男性と結婚したんだから仕方がない」と言う女性もいます。浮気されても、離婚を切り出されても「仕方ない」とまるで当たり前のことのように言うのです。
「若い女性の方が良くなったり、子供が欲しいと思われても、仕方ないじゃない。納得して結婚したんでしょ？」と。
下品な人に至っては「あなただっていい思いしたんでしょ」なんて言葉を放つ人もいました。
私は、若い男性と結婚したのだから「離婚されて当たり前」「予想できたことで、仕方がない」と言われることが、当たり前だとは思えません。離婚する前提で結婚する人など、詐欺的なケースを除いていないでしょう。
男性が若い女性と結婚して、男性側の問題で子供ができなかったとします。それを理由に女性が「離婚したい」と言ったら、どうでしょう？男性は「若い女性と結婚したのだから当たり前のこと」と受け入れられるのでしょうか？
世間の人は「若い女性と結婚したんだから仕方ない」と言えるのでしょうか？
時々、年下夫との離婚が「年下の男性と結婚した女性の責任」と言っているようにすら聞こえるのは、私だけでしょうか？
良い思い出が多ければ多いほど辛い
私は、元夫との離婚でとても傷つきました。今も時々「恨み節」が出てきたりするほどです。元夫が幸せになっていることなど、許せない！とも思います。
そんな私に比べ、貴理子さんは大人だなぁ、と思います。けれど、内心はとても辛いのではないでしょうか？
どうしようもない事を離婚の理由にされ、理解を示すしかなかったと思いますし、そんな夫でも愛していれば「愛する夫のためにできることは離婚してあげること」と思ったでしょう。
私の場合は、子供以外にも色々な離婚の理由があり、それを思い出すたびに未だに腹が立ちます。私は怒りが愛情を超えた時に、吹っ切れましたが、良い思い出が多ければ多いほど辛いだろうな、と思います。
夫が年下だから「離婚は仕方ない」、そんな世間の言葉にも傷つくでしょう。
芸能ネタにイマイチ疎い私は、貴理子さんのことをよく知りませんが、彼女も私と同じ２度目の離婚だそうです。
ものすごく辛いと思います。「世の中には、同じ痛みがわかる人、いるからね」と言いたくなります。