泥沼不倫劇を「ピュアで切ないオトナの恋」と言えるのはなぜ?
薬局の待合室でテレビをぼんやり見ていた時のことです。「黄昏流星群」という新しいドラマの宣伝のような内容だったのですが、その内容を聞きながらふと、疑問が湧きました。
そのドラマは、中年になった既婚の男女が、誰かと恋に落ちるという内容で「ピュアで切ないオトナの恋」などと表現されていました。ドラマの内容はよく分からないので、何とも言えませんが、既婚者の恋をピュアだとか切ないとか表現することに、私は違和感を感じました。
美化されて描かれる不倫劇
パートナーがいても、誰か別の人に心が傾くことがあるのは、人間ならば仕方のないことなのかもしれません。けれど、それは果たして「ピュア」なのでしょうか?
はっきり言ってしまえば、浮気や不倫と言える関係が、ピュアだとは思えません。
日本の映画やドラマでは、40代以降の「オトナ」と言われる世代の恋愛は、たいてい不倫ものです。確かに、既婚者がほとんどの世代なので、そうなってしまうのかもしれませんが、映画やドラマでは彼らの恋が、必要以上に美化されているようにも感じます。
現実世界では、浮気や不倫は良いものとされません。けれど、それが映画やドラマになると、彼らがまるで「悲恋の主人公」のようになって、それを見た人たちは「感動した」とか「泣けた」なんて言います。
修羅場の末に結ばれたり、元のサヤにおさまって絆を深めたり。
非現実の世界だから、主人公たちが幸せになればそれで良いのかもしれませんが、私はつい、裏切られた側や、傷つけられた側にとっては、たまったものではないなぁ、なんて思ってしまいます。
日本は恋愛や結婚も年齢制限付き
海外のドラマでは、中高年の恋愛がごく自然に描かれていることが多いです。シングルマザーと娘が普通に母親の恋愛の話をしたり、50代をすぎたシングル女性たちが楽しそうに恋愛の話をしていたりします。
恋愛や結婚をするのに年齢は関係ない、という感じのそんなシーンを見るたびに、いいなぁ、と思います。
日本では、何をするにも年齢で(特に女性は)制限をつけられ、「若くない女性」の恋愛には、いい年をして」とか「みっともない」などネガティブな反応が返って来たりします。
既婚者の不倫は美化されて映画やドラマになるのに、中高年シングルのごく普通の恋愛は、あまりドラマにはなりません。きっと、「恋愛や結婚は若者のもの」という傾向が強い日本ではうけが悪いのかもしれません。世間では「中高年の恋愛なんて気持ち悪い」とすら言われる始末です。
私には、不倫を美化したドラマや映画の方が「気持ち悪い」を通り越して「怖い」です💦
原作は一家で泥沼不倫?
件のドラマの宣伝でも、娘の婚約者に恋心を抱くなどとありましたが、それのどこが「ピュア」で「切ない」のかわかりません。「それはダメだろ!」と叫びたくなります。ドラマを見ればなぜその内容が「ピュアで切ないオトナの恋」なのか分かるのでしょうか?
そのドラマの原作になっている作品は、家族全員で泥沼不倫の印象で、どう考えても「ピュアで切ない」にはほど遠い印象です。
番組の公式サイトには「図らずも落ちてしまったあらがえない運命の恋」なんて書いてありましたが、「いや、単なる不倫……」なんて思ってしまいました。
とは言え、このドラマに出演している中山美穂さんや黒木瞳さんは、本当にキレイで、「確かにこの方々が演じれば、美しい運命の恋になるよね……」とも……。
この際、ドラマを観てみる、という手もあるのですが、テレビ、映らないしなぁ……😅