幸せも人生も不公平 自己中な彼女が愛されるのはなぜ?

困った人たち

壁の絵

まだ、私が30代半ばだった頃の話です。ある資格を取るために社会人向けの専門学校に通っていた時に知り合った女性がいました。彼女は実家暮らしで、生活費や身の回りのことは全て親まかせ、短期派遣で働いてお金が貯まったら海外を旅する生活を続けていました。1人暮らしで、思うように旅行になど行けない私からすると、なんとも羨ましい生活だなぁ、と思っていました。

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尊大で無神経な彼女

当時まだ20代前半の若い彼女は、やや自己中気味でしたが「若いからしょうがないか」と、多少の空気の読めない発言や生意気な言葉は聞き流していました。

ある時、彼女が「試験が終わったら、今の仕事を辞めて南フランスへ半年くらい行くことにした」と言った時に、クラスメイトの1人が「いいなぁ、半年も南フランスかぁ」と言いました。彼女が「行きたいなら行けばいいじゃん」と言うと、クラスメイトは「普通の社会人には、なかなか出来ない技だよー」と笑いながら答えました。それは、本当に気軽な会話でした。

けれど彼女は呆れたような顔で「そんなの言い訳!本当に行きたかったら行ってるし。行かないのは本当に行きたいって思ってないからじゃん。仕事なんか辞めたってなんとかなるし。次の仕事がないのは能力がないからじゃん」と。

1人暮らしの人が殆どで、1週間の休暇すら取るのが難しい職場のメンバーばかりだったので、なんとなくその場の空気が凍りつきました。

そりゃ、アナタはお給料全部お小遣いで親と同居、海外で半年ふらふらしてきても衣食住に困らないものね、と。

彼女は、他人の立場や状況を想像することができないタイプだったのかもしれません。もしかすると、年上の私たちを「オバさん」とバカにしていたのかも知れません。30半ばだった私に対して「そろそろ結婚しないとヤバイんじゃない?」と言ったり、恋人と別れたばかりのクラスメイトに「そんなうじうじしてるから振られるんじゃない?」と言ったり。

クラスメイトの1人は、そんな彼女に対して「あの子もこれから色々苦労して変わるんじゃないかな?」と言っていましたが、その後も彼女は「わがまま放題」で幸せに暮らしているのです。

彼女は好きな旅行を続けている途中、素敵な人と出会って結婚。日本に戻って好きなことをしてみたら、それがたまたま上手く行ってちょっとした仕事になったと言います。彼女はそんな自慢話をしながら、「我慢して好きでもない仕事を続けるなんて、人生終わってる人がすること」と言って、やっぱりその場の空気を凍らせました。事あるごとに、自分の幸せをアピールしながら他人の人生を「上手くいかないのは、それを本当に願ってないからじゃん」と批判するので、もう何年も前から、彼女とは疎遠にしています。

そんな彼女が、お金の苦労もせず離婚もされず、幸せに生きているのを見ていると、私は、人生はものすごく不公平だな、と思います。
「真面目に生きていれば幸せになれる」なんて、誰が言い出したのか、そんなのは韓ドラの世界だけじゃないの?とすら思います。

家事は親まかせの結婚生活

彼女は、旅行先で知り合った外国人男性と結婚して日本に戻り、裕福な両親の住む家に同居して「家事なんてできないもん」と家事は親まかせにしていました。

自分や夫の食事から洗濯まで親に任せっきりで家事を全くせず、それまでと同じように暮らす彼女に対して、母親が「少しくらい家事をしろ」と言うようになると、彼女はそのことが「辛くて辛くてしょうがなくて、毎日泣いていた」と言います。

私には、何が辛いのか、全くもって意味不明です。

けれど、彼女の夫は毎日泣いている彼女を見て、「彼女が泣いていて可哀想だから」と都心のマンションを借りて引っ越すことにしたそうです。
マンションに引っ越すと、家事は夫任せ。仕事から戻った夫が料理ができない「専業主婦」の彼女のために食事を作ってくれると言います。

正直、子供もおらず、家事もせず、働きもしない彼女が、なぜそんなに夫に大切にされるのか不思議でなりません。

友人の一人は「妻に尽くす国の人じゃないの?」と言いますが、もしかすると外国人男性には「小柄で童顔な日本人妻のわがままが可愛くて仕方ない」のかもしれません。

離婚されたら困るから、と彼女がしたこと

それは、数年前に、彼女を含めたかつてのクラスメイトたちと会った時のことです。彼女は相変わらず自分の素敵な毎日をアピールしていましたが、離婚されたら困るのは自分だと言うことは分かっているようでした。離婚されたら今の「楽で自由気ままな生活」ができなくなるからです。
少しは家事を頑張る気になったのかと思っていたら、

だからね、私、◯◯(夫の名前)に、私ってすっごくいい奥さんでしょ。こんないい奥さんいないよ!って毎日洗脳しているんだ✨

と言います。……なんだか、ちょっと方向が違うんじゃない?と思いましたが、もう「あー、そうなんだ……」と言うしかありません😅
離婚されたくなければ、わがままを控えめにするとか、家事をするとか、仕事で疲れて帰ってきた夫を労るとか、そんなことを考えそうなところですが、彼女の思考回路はまったく違っていました。
そして、バツ付きの私とシングルのクラスメイトに向かって「あなたたち、もう子供産めない年だね。もう一生一人でいるの?」なんて言います。

そういえば、私が長かった髪を切った時に、医療用ウィッグのために寄付をしたと言うと、彼女は

「へぇ〜、医療用って白髪とかくせ毛とか、綺麗な髪じゃなくってもいいんだね。私の髪はいい値段で買い取ってもらえたよ。綺麗だから高級ウィッグにできるんだって!美容師さんから、買い取らせてくださいって言われちゃって〜」

と言い放ったのを、今も覚えています。

幸運な出会いが幸せの鍵?

どんなに自己中でわがままで尊大な態度でも、彼女の夫にしか分からない魅力があるのかも知れません。
ズケズケと物を言ったり、人を見下す様子も、良く言えば、はっきりしていて自信に満ちて堂々としていると言えるのかも知れません。
夫婦が上手く行っているなら、彼女が家事をしようがしまいがそれで良いですが、どうにも「人生って不公平だ」と感じてしまいます。
人を傷つける人と、傷つけられた人では、なぜか人を傷つけた側が幸せになっていたりするのです。(私の元夫と元夫の女友達とか……)

世の中「中高年シングルは問題のある人」と言われますが、果たして「結婚していれば問題のない人」なのでしょうか?既婚者から発せられる無神経で人の心を傷つける言葉を耳にするたび、結婚していたって問題のある人は問題がある、と思います。
結局のろころ、「どんな人と出会えるか」が結婚できるかできないかのなのだと思います。ほとんどの人は、自分に合う人と出会ってその人と家族を作り、生涯を共に過ごすのでしょう。

彼女は幸運にも、優しく心の広い、我慢強い男性と出会えたから結婚生活が続いているのではないでしょうか?
私のように、誰かと出会っても「男性を見る目」がなかったりすると、離婚に至ったり一人で過ごすことになるのかも知れません。もちろんそれは男性だけに問題があったのではなく、私にも問題はあったでしょう。

人間、多かれ少なかれ何らかの欠点(問題)があるのが普通だと思います。その問題とお互いにうまく付き合えるか、お互いの欠点を受け入れて許しあえるかが、人間関係を長続きさせるコツだと私は思います。

私が結婚した相手や、交際した相手は、それが出来ない人だったり、私の欠点を数えてジャッジする人たちでした。(条件ありきの婚活では仕方のなかったことですが)

私はもう、男性との「幸運な出会い」には期待していません。
色恋を除いた場面で、お互いに良い仕事ができたり、楽しい時間を過ごせる人たちと出会えたらいいなぁ、と思います。

幸せも人生も不公平。でも、今の私のように人と比べて不平不満を言うのではなく、どんな状況でも自分を幸せだと思える人生を過ごせるようになりたいです。

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Posted by Hana