シングルマザーと、ただのバツ付きシングル

シングルのユウウツ


同じバツ付きシングルでも、子供がいるかいないかで、行政や世間の待遇が随分と違うように感じることがありました。
離婚して、一人で子供を育てることは、経済的にも精神的にもとても大変なことだと思います。それに対して、子供がいない場合は、自分のことだけなので、確かに負担は少ないと思います。離婚した時、周りの人が言った最初の言葉は「子供がいなくてよかったね」でした。
案外、安易にその言葉を口にする人は多いように思いますが、よく考えてからいってほしい言葉だと思います。
子供ができないことが原因で離婚に至る場合もあるのです。私だって、子供がいたら離婚にならなかったかも知れません。

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「子供がいなくてよかった」のか?

離婚した元夫は、結婚する前に「子供はいらない」と言っていましたが、結婚して1年くらいすると、子供が欲しいというニュアンスの言葉を発するようになりました。けれど、結局私たちに子供はできませんでした。私の年齢的なこともありましたが、元夫の方が子供ができにくい体だったからです。
元夫は、きっと「もっと相手が若かったら子供ができる」と思ったのかもしれません。彼の女友達が「あなたの子供を流産した」と言った言葉が真実かどうかはさておき、彼はその言葉で私との離婚を決めた可能性だってあります。

そんなことから、私は「子供がいなくてよかったね」という言葉を、前向きに受け取ることができませんでした。

さて、ちょっと話が逸れましたが、シングルマザーとただのバツ付きシングルでは、世間の待遇が違うと感じる出来事がありました。基本的に、シングルマザーは「子供がいて大変だから助けてあげなくては」、ただのバツ付きシングルは「離婚して問題のある人。ほっとけばいい」というスタンスだと思います。
確かに、ただのバツ付きシングルよりも、シングルマザーの方が大変なのは事実です。

シングルマザーの世界にも格差がある

けれど、世の中には十分な援助や収入などで生活には困っていないシングルマザーも存在しています。
職場の同僚もそのタイプです。実家が裕福で、離婚後は実家に戻り生活しています。養育費もたっぷり受け取り、生活には不自由している様子はありません。仕事をする理由は「好きな仕事を続けたいから」と言っています。

先日、契約料が高い「おいしい仕事」が舞い込みました。その仕事は、私の専門分野だったので私がやりたいと言ったのですが、その場にいた人たちは「シングルマザーのSさんに譲ってあげて。あなたは子供いないから大丈夫でしょ」と言ったのです。
彼女は、その分野の専門ではありませんし、契約料に見合う仕事ができるとは思えません。けれど周りの人は「手伝ってあげるから、頑張って」と言うのです。
ここで私が主張を通せば「鬼のような人」の烙印を押されかねません。「おいしい仕事」は涙を飲んで諦めるしかありませんでした。

Sさんは、私よりもずっと余裕のある生活をしています。3人の子供たちは、学費が高いことで有名な私立に通っていますし、高価なタブレットを、それぞれに買い与える経済力もあります。毎年、親子で海外旅行にも出かけています。
彼女の身につけているものは、明らかに高価なもので、ネイルサロンやヘアサロンに通い、3人の子供がいるとは思えない美しさです。

ブランドバッグと生活費

彼女が、「おいしい仕事」を獲得した後、
「やったぁ!これでヴィ○ンの新作バッグがもう一つ買えるわ〜。嬉しいなぁ」
と言ったのを聞いて、がっくりしました。

もし、その仕事を私が取れたら、「しばらく家賃の心配をせずに暮らせる!」と思いますが、彼女は高級ブランドのバッグが買えると喜んでいるのです。

なんだかなぁ……、と思いました。
まったくもって、腑に落ちません。

確かに、子供がいなければ、教育費もかかりませんし、子供の将来をあれこれ考えて悩まなくて良いのは事実です。けれど、子供がいないなら、別の悩みや問題があるのです。子供がいなくても生活は厳しいし、子供を持てる可能性がゼロになった今も、子供が欲しかった、などと思うのです。

以前、行政の対応に腹が立って「シングルは人にあらず」と書いたことがありますが、「子供のいないシングルは人にあらず」と改めたくなりました。

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Posted by Hana