麻生太郎「子どもを産まなかった方が問題」発言、アナタの方がよっぽど問題
また、政治家の失言か……、と呆れてしまいますが「こんな社会にした政治家の方がよっぽど問題」だと言わざるを得ません。
今回の失言は麻生太郎副総理兼財務大臣。少子高齢化問題に対して「子どもを産まなかった方が問題」と、「子供を産まなかった女性の責任」と言わんばかりの発言です。もはや、失言を通り越して子供のいない女性に対する「暴言」です。
いったい、このおっさんの頭の中はどうなっているのだ？と思います。国のトップに属する政治家の発言としては、あまりにも短絡的で考えが浅く、偏見に満ちています。
結局のところ、それが、「男尊女卑」の考えが根深く残る政治家のおっさんたちの本音なのでしょう。「だって、産まない女が悪いんだもん」と、本気で少子高齢化に取り組む気などないのでは？と感じます。
女性に責任をなすりつけても、何の解決にもならない
子供を産まなかった女性に責任をなすりつける発言をしたところで、一体何の解決になるのでしょう。もう子供が産めない私が、今更、子供が産めるようになるわけでもありません。不妊に悩むカップルの問題が解決するわけでも、経済的に子供を諦めている人たちが、明日からお金持ちになって子供が持てるようになるわけでもありません。
「子供を産まなかった方が問題」と言うならば、経済的にも社会的にも安心して育てられる環境を完璧に整えてから言え！と思います。
まったくもって、差別的で配慮のないジジイの、悪意をもった「女性を見下す発言」としか感じません。
彼は「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかった方が問題なんだから」と発言しましたが、「ちっとも間違っていない、アンタが変な年寄りそのものだ！」と言いたくなります。もはや「老害」としか言えません。
安心して子供を産み育てられない社会
今は、世の中の誰もが結婚し子供が持てるわけではありません。子供が欲しくても出来なかった人も少なくありません。そして、子供が持てなかったのは女性だけの責任ではありません。男性に問題がある場合だってありますし、何よりも、安心して子供を産み育てる事が難しいと感じる社会に問題があります。
それを、女性の責任にするのは如何なものかと。
「子供を産まなかった方が問題」と言うなら、安倍首相もお子さんいませんよね？面と向かってその言葉を言えるのでしょうか？
政治家のおっさんたちの老後は安泰です。しこたま肥やした私腹と、退職金や年金も十分すぎるくらいあるでしょう。
そんな老後の心配のない彼らには、少子高齢化など「自分には関係ない事」で真剣に取り組む気はないのでしょう。
結婚せずに子供を持つ事も普通、パートナーに恵まれなければ精子バンクから、自分で産めなければ代理母出産を、肌の色や髪の色の違う養子がいても普通、生殖医療は保険適用、家庭環境によって子供を差別しない社会、どんな状況で生まれた子供も同じように教育を受け、行政のサービスとサポートを受けられる事、誰もが安定した雇用を得られる事。
少子化に真剣に取り組むなら、馬鹿な発言をする前に考えることはたくさんあるはずです。
格差が広がるばかりの社会、少子高齢化の社会、こんな社会にしたのは誰？と思います。
お金持ち中心の社会
今の若い世代が、結婚し子供を産み育てることに不安を感じるのは、こんな国にした政治家の責任です。自分一人が生きていくのに精一杯なのに、結婚し子供を産み育てられるでしょうか？
政府は「景気は回復している」と言っていますが、何をもってそう言っているのか？去年のボーナスシーズンも「ボーナスアップ」なんてニュースを見ましたが「経団連」の発表したデータです。大企業ばかりが所属する経団連のデータで「ボーナスアップ」だの「景気回復」って言われても、何の説得力もありません。
景気回復しているのは大企業と公務員だけでしょ？
中小零細、非正規雇用者には「相変わらず景気は下向き」でしかありません。
零細企業勤務の人や非正規雇用者にとってボーナスや昇給は、「何それ、食べられるの？」というレベルです。
そんな社会で、結婚し子供を産み育てるなんて（シングルマザーになるなんて）考えられません。
「産まなかった事が問題」と言うなら、誰もが子供を持ち（実子でも養子でも）、安心して育てられる環境を先に作れ！と思います。
それでも、色々な事情を抱えて生きている人がいる世の中で「産まなかった事が問題」発言は、あまりに無神経です。
多様な人や人生を考えることのできない、弱者に寄り添うことのできない人が、本当に国民のことを考えた政治ができるのでしょうか？今の日本は「お金持ちの政治家の、お金持ちの政治家による、お金持ちのための政治」としか言えません。
私は、子供もパートナーもいません。非正規雇用の低所得者です。
毎日、頑張って仕事を掛け持ちして生きています。
子供の教育に関わる仕事もしています。あまりお金になりませんが、それが、子供がいない私の「社会貢献」だと思っています。
お偉い政治家のおっさんたちにとって、私は「ゴミ」みたいな存在でしょう。
それでも、誰かの役に立とうと、一生懸命生きているのです。
2019/02/5 追記：
結局、麻生氏は発言を「撤回」しましたが、反省の色は感じられず、内心は「なんで撤回しなきゃならないんだ、めんどくさい」という印象です。「不快な思いをした女性がいるなら謝りますけど」と言っていましたが、自分の無神経な発言を省みて謝罪する気持ちはさらさらないようです。
「誤解だ」とか、「そんなつもりはなかった」とか、そんな言い訳を聞くと、いい歳した大人が何言ってんの？と思います。
そもそも、一国の政治家が、後で「撤回」しなければならないような発言をすることが間違っています。真面目に「誤解」「そんなつもりで言ったんじゃない」と言っているなら、国語力に問題があるとしか思えません。
自分の失言を全く反省していない様子のご本人。果たして、それが父親として子供たちに誇れる姿と言えるのでしょうか？