3号被保険者制度は不公平だし時代遅れ どうして会社員の妻ばかりが優遇されるのか

雑感

先日、連合が3号被保険者制度の廃止を要請検討している、と言う記事を見かけました。

3号被保険者というのは「会社員の妻」、つまり夫が会社員の専業主婦のことです。扶養内で働いている「会社員の妻」も3号です。

この3号被保険者は年金や健康保険を納付しなくても、年金を貰え、健康保険制度を利用できます。
ちなみに、私のような自営業や社会保険の対象にならない労働者や学生、無職の場合は1号被保険者、会社員は2号被保険者です。この中で、保険料を払わなくても満額もらえるのは3号だけです。

スポンサーリンク

夫が支払っている?勘違いしている3号被保険者

個人的には、3号被保険者制度の廃止には賛成です。さっさと廃止してほしいです。

今時、「会社員の夫と専業主婦」というモデルが時代遅れで、「標準」とは思えません。専業主婦でいられるのは、夫が高収入で妻が働かなくても良い世帯が多いのではないかと思います。

当然、現在3号被保険者に該当している人たちからは批判が出るでしょう。そりゃ、今まで払わなくても良かったものを廃止すると言えば「損する」ので批判が出るのは当たり前です。

経済的に難しいならば、3号被保険者以外がやっているのと同じように「免除申請」すれば良いだけです。ただし、免除申請の場合は、その間、満額納付済みではなく半額を納付したことになります。3号の場合は支払わなくても満額納付したことになりますが、免除の場合は半額です。

廃止要請の検討について、「出産、子育てや介護しながら働いて保険料を払えというのか」と言う批判がありますが、そもそも、自営業など会社員以外の妻は出産や子育て、介護などをしながら保険料を納めています。

3号被保険者の廃止が少子化につながると言う人もいますが、出産や子育ての間、たとえば子供が小学校に入るまでは「免除」すれば良いと思います。配偶者が会社員でも自営業でも関係なく、出産や子育ての間は免除にする、そうすれば「公平」だと思います。子育て中は所得制限なしで全額免除・全額納付扱いでよいのでは?と。

今の時代に「夫が会社員」で「無職または扶養の範囲内」だから保険料を納めなくても、その恩恵は受けられると言う方が不公平です。

そして、3号の保険料は、他の2号被保険者が負担しているのに、それを知らず「私たちの保険料は旦那さんが払っている」と言います。案外、そう思っている人が多いのにもびっくりします。

3号被保険者制度を続けるなら、3号の保険料は100%、その配偶者が支払うようにして欲しいです。「旦那さんが支払っている」と思っているのですから、そうすれば良いのです。

扶養の範囲を越えちゃうから、の困った裏技

随分昔の話ですが、取引先から「うちのパートさん、扶養を超えちゃうと困るから、XX万円分請求書と領収証くれない?」と言われたことがあります。

応じないと仕事が貰えなくなるので、もやっとしながら請求書や領収証を作っていました。領収証が必要な理由は、履歴が誤魔化せる現金支払い扱いにするためです。書面上だけのことですが、こちら側はお金を受け取ったことになり、売上に計上しなければなりません。つまり税金が増えると言うことです。

取引先からは「アナタ、税理士入ってないから適当に交通費とか水増しして調整すれば大丈夫でしょ」と、手軽なメーカーのお菓子で誤魔化されました。

請求書の金額は毎月十数万円、年間百万円以上になる時もありました。その金額によっては、こちらの処理がしきれず「他人の収入の税金」を支払うことになったりします。赤の他人、顔も名前も知らない女性が扶養内で税金と保険の優遇を得るために、私が税金を支払うのです。

これらの行為は立派な「不正行為」「所得隠し」なのですが、なぜか「扶養を越えちゃうから」と正当化されていた気がします。

今ならキッパリと断りますが、独立して間もない30代の私は断ることができませんでした。

きっと、そんな「被害」に遭っている自営業者やフリーランスの人は皆無ではないはずです。

世帯単位の税金や保険料計算は時代遅れでは?

今の時代、「会社員の妻」だけ特別か使いするのも、世帯単位で社会保険料を考えるのも時代遅れだと感じます。

税金も社会保険料も「個人の収入」に対して考えるべきです。

その個人の事情に応じて「免除」や「減額」をする方が公平だと思います。

女性の中には、「夫が扶養を超えると嫌がるから」と言う理由でフルタイムで働くことができない人たちもいます。夫の「メンツ」のために仕事をセーブせざるを得ないパターンです。

「妻を働かせたくない」「私は夫の扶養に入っていたいの」「働きたくないし専業主婦がいいの」と言うならば、夫が妻の保険料を全額払うべきです。

出産・子育てや介護など事情がある場合は「免除申請」一択です。3号被保険者以外はそうしているのですから。

日本は、何でも「世帯」単位で考えるので柔軟性も無くなっていくのではないかと感じます。個人の事情よりも世帯の事情が優先され、個人の事情は無視されているのではないでしょうか?

コロナ禍の給付金等も世帯に対して行われたせいで、世帯主である夫の口座に入り、DVなどから逃れている人たちが受け取れない、などの問題も起こりました。これが個人に対して行われていたなら何の問題もなかったはずです。

もう、そろそろ「個人」で考えるようにしましょうよ、と思います。

スポンサーリンク

Posted by Hana