女子力と化粧品と不信感 フェイシャルエステに行かなくなった理由

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何年か前に、フェイシャルエステに通っていたことがあります。自発的な意思ではなく「仕事の打ち合わせ」と称して、仕事関係の知人に連れて行かれ、契約せざるを得ない状況でした。
当時は今ほど貧乏でもなく、エステに行ったことのなかった私は「まあ、仕方ないか」と諦めて月に二度、そこに通うことになりました。後で知ったのですが、お客を紹介して契約成立となるとそれ相応の特典が紹介した人に与えられるシステムで、知人は最初からそれが目当てだったようです。

私は1年半ほどそこに通って、行かなくなりました。それにはいくつか理由がありましたが、最大の理由は「不信感」が芽生えたことでした。

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炎症を起こした肌をエステで治す?

私の肌は、45歳を超えたあたりから「乾燥性敏感肌」になりました。季節や体調によっては炎症を起こすので、時々皮膚科で薬を処方されていました。かゆみと赤みで炎症を起こした時は、それが治るまでその薬を塗っていました。
ある時、エステの予約がある時に炎症を起こしていたので、「炎症を起こしているから予約の日を変更したい」と言ったら、そこのエステティシャンは「いいから来て」と言います。

仕方がないので行くと「皮膚科の塗り薬なんて軟膏でしょ?そんなの肌に悪いからダメ!私が直してあげる」と言います。けれど、炎症を起こしている皮膚にマッサージや化粧品を塗りこむのは止めたいところ。その旨をエステティシャンに伝えると「アトピーの人も、このエステで快くなっているんだから大丈夫。その赤みは私が消してあげる」と自信満々です。

半ば強制的に、施術が行われ冷やすパックで顔の赤みは消えました。
「ほーら、赤みもなくなって綺麗になったでしょ。我ながらすごいわ」
と自画自賛のエステティシャン。

……そりゃ、冷やせば赤みはひくよね
と思いましたが、その言葉はぐっと飲み込みました。

家に戻る頃には赤みは復活。エステで私の炎症が治ることはありませんでした。

そこのエステティシャンは「皮膚科の軟膏なんかマイナスになるだけ」と言って憚りませんでしたが、確かに健康な皮膚に皮膚科で処方されるステロイド軟膏などを塗るのは言語道断です。
けれど、炎症を起こしている皮膚は、まず、炎症を治めなければなりません。炎症が治ってからのスキンケアだと私は思います。

私はそれ以来、かゆみなどで肌のコンディションが良くない日は「仕事の都合」で予約日を変更することにしました。炎症を起こした皮膚にフェイシャルエステを施しても、炎症がひどくなることはあれど、良くなることはなかったからです。

女子力という言葉にうんざり

エステティシャンは美意識が高く、肌のお手入れも行き届いています。お手入れ方法も色々と教えてくれますが、私が行っていた店のエステティシャンが、やたらと「女子力、女子力」と言うのにはうんざりしました。
私より少し年上の彼女は、私がバツ付きのシングルだと知ると、何かと「お肌を綺麗にして女子力あげないと再婚できないわよ!」「このリップで女子力アプして彼を作らなきゃ!」「そんなカラカラのお肌じゃ、女子力下がるわよ」などと言いました。

面倒くさいので、「そうですねー」と笑っていましたが、そんな言葉が出るたびげんなりしていました。彼女の言う「女子力」を否定すれば、倍になって「女子力の大切さ」が返ってくるからです。
「若く見えること」「男性の目線」を常に意識している彼女たちは、私が一番苦手とする種族です。
一番嫌だったのは、彼女たちが無遠慮に私の肌のコンディションを貶すことでした。「ここに初めて来た時はカラッカラに干上がったお肌だったわよね」と何度も言うのにはうんざりしました。もうちょっと言葉を選べばいいのに、と。

私が最初に、エステに来るのは初めてだと行った時も「えぇー!何十年も生きて来て、一度もないの?そんな女の人初めてだわぁ」と大げさに驚いたのを今も覚えています。

自称・サバ子さんだったので、彼女の性格なのでしょう。けれど、「サバサバした物言い」と「無遠慮で人を見下す発言」はちょっと違います。

私が、そんな言葉にムッとした態度を出せば良かったのだと思いますが、そうするよりも「もう行かない」選択の方が私には楽でした。

高価だったエステの基礎化粧品

季節ごとに、色々な化粧品のセットの購入を勧められるのも、私には憂鬱でした。美白ケアだのコラーゲンドリンクだの、季節ごとのメイクアップカラーなど、常に何かがありました。そして、例えば美白ケアの基礎化粧品セットは3万円超え。それを分割でもいいから、としつこく勧められるのです。

私は毎回断りましたが、それでも行くたびに「ちゃんとケアしないとシミだらけになっちゃうわよ」と言うので、一度だけ面倒くさくなって化粧水だけ買ったことがありました。
けれど、使われている香料が気になって、結局少し使って使わなくなってしまいました。それ以来、何を勧められても買うことはありませんでしたが、いちいち断るのがとてもストレスになっていました。

大抵のフェイシャルエステでも同じだと思いますが、自分が使う化粧品やパックなども、無くなると買わなければなりません。半年くらい経つと、化粧水やパックなど、補充が必要になって来ます。
エステ一回の料金は二千円ほどでしたが、1セット25000円ほど化粧品の値段を考えると、私には安いとは言えない金額だったと思います。
なくなったアイテムから購入するので、今月は化粧水、次の月はパック、などバラバラと購入することになります。

ある時、化粧水を購入しお金を支払いましたが、その次の時にまた化粧水の代金を請求されました。私が前回支払ったと言うと、別のアイテムの代金だと言います。私の記憶では、確かに化粧水で他のアイテムは購入していません。けれど、その時にレシートには商品名が記載されていないので、私は強く言うことができませんでした。手元に記録がないので、言う通りに支払うしかありません。

貧乏な私は、いつ、何に支払ったかはよく覚えています。
高い化粧水の代金を支払ったことを忘れるはずはありません。

もしかすると、私の勘違いだったかもしれません。けれど、買っていない商品の代金を支払わされた、という思いが強く私の中に残り、それが不信感につながりました。

効果があるのかないのか分からなかったエステ

その後、数回エステにはいきましたが、また美白化粧品の購入を「お金ないって言うのわかってるけど、1万円づつの3回払いでいいから」としつこく勧められるので、面倒くさくなって行かなくなりました。

正直なところ、私はエステに通ってもそれほど自分のお肌が変わったと感じられませんでした。
施術の後、エステティシャンは「ほーら、ずっとお肌が綺麗になった!」と言いましたが、私には何が変わったのかよくわからない始末。顔を洗った後の自分と変わらない、なんて思いました。そんな「違いがわからない私」に、エステは勿体無いです。

確かに、マッサージしてもらうのは心地良かったですが、人工的な香りの香料が入った化粧品は、私の好みではありませんでしたし、エステティシャンとの相性も良くなかったのでしょう。

私には「女子力」がぷんぷん漂う場所は、合わないようです。美容院も苦手だし。

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Posted by Hana