親の死と向き合うこと 不安と孤独、仕事と責任

マイライフ

小さな花

もう意識が戻ることのない父が、あとどれくらい生きられるのか?そして、ただ息をすることしかできない状態が父にとって幸せなのだろうか?と考えます。今入院している救急病院の医師からは「状態が安定したら転院を」と言われ、先週、弟と叔父と3人で転院先の候補を決めてきました。
長丁場になるんだろうか……?と考えると私も弟も落ち着かない気分です。「安定」しても、いつ急変してもおかしくない状況では何の予定も入れられません。

弟は大企業勤務で、仕事を休んでも有給休暇が使えます。仕事は心配で落ち着かないと思いますが、収入面では心配ないようです。けれど、私は違います。休めばそれだけ収入が減ります。今のような「いつ何があるかわからない状況」では仕事の調整も非常に難しく、考えただけで胃と心臓が痛くなります。

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非正規雇用者の苦しみ

今、私を悩ませている仕事は「できなかった」では済まされない仕事です。詳細は自粛しますが、父のことがなくとも、他の仕事と掛け持ちしている私が一人で出来る仕事ではありません。そのことは勤務先も分かっているので、人員を調整済みだと思っていました。けれど、初めての打ち合わせで、上司は私を「担当者」として紹介し、困惑してしまいました。私がいなくても出来るように体制を整えたいのですが、上司は未だに人員の確保をしてくれません。私が徹夜して出来るものならやりますが、クライアントの事務所に出向かなければできないことなので、どうにもなりません。

最悪、私はトンズラすれば良いかも知れませんが、会社にとっては「出来なかった」では済まされない、会社の信用問題に関わることです。「担当者の親が危篤で」なんて言い訳は通用しません。クライアントにとってはそんな個人のことは関係ありませんし、そんな理由を持ち出して許してもらえるほど仕事は甘くありません。
緊急事態に対応できなかった会社の責任です。

明日、より明確なスケジュール表を提示して、人員確保を要求する予定です。それができれば、まずひとつクリアです。

生活を支えてくれる夫がいたら、そんな仕事はさっさと辞めているかも知れませんが、そうはいきません。
仕事のストレスと先の見えない父の状態が、私の精神状態を追い詰めています。動悸が止まらないので病院に行ったら精神安定剤を処方されてしまいました。少なくとも、それを飲めば動悸はおさまって気分も少し楽にはなりますが、根本的な解決にはなりません。

父の望みはどうなのだろう?と言う思い

この先に、楽しみなことは何ひとつありません。というより、楽しむ目的の予定を入れることができません。もしもの場合に備えて、趣味の予定はキャンセルしておかなければなりません。常にスマホをポケットに入れ、緊急事態に備えなければなりません。仕事以外で携帯電話が繋がらない状況になることは憚られるような状態です。

こんな時も、仕事を含めて私の状況を理解してくれる人はおらず、とても孤独な気分になります。
それが一番苦しいです。周りの人は頑張れと言うけれど、これ以上、何を頑張るのだ?と思います。

「家で介護している人はもっと大変だよ」と言われると、確かにそうかも知れません。私よりも大変な人はいくらでもいます。
けれど、両親が健在で介護の経験もなく、お金の苦労をしたことも、する予定もないあなたに何がわかる、と言いたくなります。

今の私は、2度目の離婚以来の「真っ暗闇のトンネル」に突入しています。母が亡くなった悲しみを感じる前に父が倒れ、どうなるかわからない状態です。分かっているのは、父の意識は戻らず死を待つだけと言うことです。
そんな状態なら、楽に旅立たせてあげたい、そんな風に思います。今の父の姿は父が望んだものではありません。確かに息をして生きていますが、父の望んでいる姿ではありません。そんな姿でこれから先、どれくらいの間、父は生きなければならないのか?
意識がないことがせめてもの救いなのかも知れません。

後期高齢者医療 57,600円が自己負担の限度額と言うけれど

先週、転院の相談に行った時に、父の部屋は個室に変えられていました。それまではナースステーションの隣の大部屋だったのですが、状態が安定してきたからでしょう。個室は1日7000円だそうです。ちょっと計算しただけで、ひと月あたりものすごい費用がかかります。
高額医療費の払い戻しがあると思っていましたが、年金生活者の後期高齢者医療は57,600円が自己負担の限度額だそうです。けれど入院費用は保険対象にならないものが多く、部屋代や食事代(鼻から入れるチューブの)、その他諸々で月に30万ほど。アメリカに比べりゃ安いよね、なんて冗談を言うしかありません。

「えぇっ、息してるだけで30万か、かなわんなぁ!」
そんな父の声が聞こえてきそうです。

父の年金と貯金で何とか出来そうなので、医療費の心配はありませんが、自分が年を取った時の医療費が心配になってしまいました。とてもじゃないけど入院なんてできません。終身医療保険に入ってはいますが、持ち家ではない私は入院中も家賃は払い続けなければなりません。やっぱり公営住宅への入居は必須な気がします。

ただ死を待つしかないだけなんて、とても残酷な時間です。一体こんな時間から何を得られるのだろう?と思います。
意識はないけれど、苦しくないかな?痛くないかな?声は聞こえているかな?そんなことを考えますが、それは本人にしかわかりません。

父は母と一緒に尊厳死協会の会員になっていました。けれど、その会員証や書類が見つからず、一体、父がどうしたいと思っていたのかがよくわかりません。余計な延命措置はしたくないと言うことだけは分かるのですが、何か他のことに関して意思表示をしていたのならその通りにしてあげたいと思うのです。
弟もどこにあるのかわからないと言うので、協会にメールで問い合わせているところです。

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父のこと

Posted by Hana